俺様ホストに愛されて



「クビにするぐらいじゃ物足りねぇんだよ!偉そうに……指図出来る立場かよ?ちょっとは自分の身の程を知れ!辰巳君のネタ売るのをやめたとしても、あんたが別れない限りは他の人が犠牲になるんだよ!」



ますます意味がわからない。



他の人が犠牲になる……⁉



この子、なに言ってんの?



ぶつけた方の腕をさすりながら、仁王立ちするみゆちゃんを見つめた。



血走る目は変わらなくて、その言葉をウソで言ってるとは思えない。



「あんたの父親が務めてる小会社、大元はうちのパパが取り締まってるの。みゆが言えばクビにすることだって出来るし、会社を潰すことも出来る。それに……あんたらが通ってるBARの奥さん、妊娠してるらしいじゃない?」



不敵な笑みを浮かべるその姿が月明かりに照らされる。



鼓動がバクバクいってて、思わずゴクリとツバを呑み込んだ。



この人、絶対異常だ。



この状況で、どうして笑っていられるの?