「偉そうに。タイ君に好かれてるからって調子乗ってんじゃねぇよ‼」
肩を思いっきり押されて、コンクリートにぶつかった。
感情的になってるから、今は刺激しない方がいい。
わかっているのに
「顔見てるだけでムシズが走るの。イライラして、その笑顔をぶち壊したくなる。辰巳君と別れてみゆの前から消えろよ。じゃないと週刊誌とかテレビにネタばら撒くから。取材とかいっぱい来るだろうね〜。あ!それであんた達の仲が壊れていくのを見るのも面白いかも!」
理不尽なことを言われて、言葉がすぐそこまで出かかる。
グッと堪えて、冷静になろうと大きく深呼吸をした。
「さっきも言ったけど、リュウは関係ないでしょ?引き合いに出すのはやめて。あたしに恨みがあるなら、お店をクビにするとか……他にやりようはいくらでもあるよね」
リュウを巻き込むやり方がどうしても許せない。
あたしのせいでリュウを巻き込んで傷付けるわけにもいかない。
こんなの、卑怯すぎるよ。



