「辰巳君と別れてくれる?」
な、に言ってるの……?
この子。
「意味わかんない〜って顔してるね。もう一回はっきり言ってあげる」
ゾッとする程冷たい視線。
あたしへの恨みがあるのは明白。
「辰巳君と別れろって言ってんの」
どうしてリュウとあたしが付き合ってるって知ってるの?
しかも、別れろってなに?
「聞こえなかった⁉なんとか言えよ‼」
ギロリと睨まれて、一歩後ずさる。
「あたし、そんな人と付き合ってないし。言ってる意味がわかんない」
「シラを切るつもり?調べは付いてんだよ‼あのマンションの最上階で一緒に暮らしてることも、その指輪を一緒に買いに行った日のことも、こっちは事細かく把握してんだよ」
荒々しく声を上げてるけど、まだ余裕を無くしてはいない彼女。



