「困ると思いますよ?立野さんにとってはいい話じゃないし〜」
そう言うとみゆちゃんは声を上げて高々に笑った。
なんなの……?
あたしになんの恨みがあるっていうの?
不信感を抱きつつも、渋々その言葉に従うしかなかった。
胸騒ぎがして仕事に集中出来なかったあたしは、全くもってやる気のない彼女の様子をバレない程度に窺っていた。
なにを言っても聞き入れない彼女に、市井さんは最早お手上げ状態。
父親が会長ということだけあって、店長も厳しくは叱ることが出来ないようだった。
決して忙しくはなかったのに、終わった時にはみんな疲れ切った顔をしていた。
特に市井さんは今日一日ですごくやつれたかも。



