「最っっっっ悪!」
まだお昼だというのに、市井さんは仕事が終わった後のような疲れ切った顔をしていた。
それもそうだろう。
あんな新人を任されたんだから。
平日の今日は、お客さんが少ないからまだマシだけど。
「笑顔で挨拶しろって言ってんのに、無愛想な顔してくれちゃうし。お客さん、めちゃくちゃ怒って帰っちゃうし……あたし、半日でやってく自信なくなったよ」
ぐったりうなだれる市井さんに掛ける言葉が見つからない。
その大変さは見ててわかるから、迂闊に声なんて掛けられない。
ましてや励ますだなんてもってのほかだ。



