俺様ホストに愛されて



あまりにも整ったその顔に、一瞬だけギョッとする。



こんなにカッコ良い人は今までに見たことがない。



真っ直ぐこっちを見て来るので思わず息を呑んだ。




なんだろう……?


あたし、何かしたかな?


思わず大きな声を出しちゃったし、静かにしろよとか文句の一つでも言われるのかも。



なんとなく目をそらせない。



それにしても


本当にカッコ良い。



上質そうな黒のスーツに、ブランド品に疎いあたしでもわかるような某有名会社の高級腕時計。



ただ者じゃないと一目でわかる妖艶な色っぽさがあるオーラ。



カッターシャツの胸元は第二ボタンまで開いていて、そこからシルバーアクセが顔を覗かせていた。



いかにもっていう感じの髪型と、人を寄せ付けるようなカリスマ性を含んだ力強い瞳。



これが俗に言うホストっていう人種なのかな。



あたしとは無縁な人種。



とりあえず視線を前に戻して、カクテルグラスに目を向けた。