俺様ホストに愛されて



「ひーめ」



リビングのソファーでドラマ鑑賞中のあたしに、リュウが甘えるようにして寄り掛かって来る。



「ちょ……今いいとこだから」



リュウを振り切ってドラマの中の世界に浸る。



ドラマの内容は、離れ離れになった家族が数年振りに再会して絆を取り戻していくっていうベタなもの。



ホームドラマが好きなあたしは、これだけは毎週欠かさず観てる。



これがまた泣けるんだよね。



ほら、今日もまた泣け……



プツン



突然テレビ画面が真っ暗になった。


えっ⁉



恐る恐るリュウの方を見ると、リモコンを手に持ってテレビの方に向けている。



そこで消されたんだと悟った。



「消すことないじゃん、いいとこだったのに!」



そう言ってリモコンを奪おうとしたけど、リュウはニヤリとほくそ笑んだままその手を高く掲げた。



「俺に構ってくれない妃芽が悪いんだろ」



至極当然のようにそう言い退けたリュウは、悪いと思っているような素振りを見せない。



もー、本当どこまでも俺様なんだから。