「なんでそうなるの?言ってる意味がわからないよ」
悲しげに揺れるリュウの瞳に、思わず息を呑む。
「二人でこそこそしてるからだろ?あんなとこ見せられて、まともでいられるかよ」
「ただ話してただけなのに……?」
リュウはどうなの?
みゆちゃんと親しげに会話してたじゃん。
お楽しみってなに?
本音がどんどん溢れて来る。
「ただ話すだけで、誰とでも腕組むのかよ?」
鋭く刺すような視線を、再びあたしに向けて来るリュウ。
なにもないって少し考えたらわかりそうなものなのに。
どうして、あたしばっかり責められなきゃいけないの?
「そんなの、リュウにだけは言われたくない!」
もう止まらなかった。
「リュウだって色んな女の人と楽しくお酒飲んでるくせに!さっきだって腕組んでたじゃん‼ちゃんと見たんだからね」
肩で息をしながら呼吸を整える。
リュウの顔を見ることが出来なくて、思わず目を伏せた。



