今更だけど、そんなところが太一は嫌だったのかも。
だから浮気に走ったんじゃないかな。
もしかしたらリュウも、こんなあたしに愛想を尽かしちゃうかもしれない。
そしてみゆちゃんに心変わりして。
なんて、ものすごくネガティブなことを考える自分が本当に嫌。
「関係ないとか言うなよ……お前に否定されるとキツいんだって」
弱々しいその声に、鼓動がドクリと鳴った。
そんな声で言われたら、あたしがなにも言えなくなるのを知ってて。
リュウは本当にズルい。
そうやって優しく髪を撫でるところとか、たまらなくズルいと思う。
さっきまであんなに強引だったくせに。
だけど
素直になれないあたしは、本当に可愛くないよね。
こんなあたしのどこが良かったの?
眩しく見えたって言ってくれたけど、あたしにはリュウの方が眩しく見えるよ。
「ノボルに惚れたか?」
その言葉に、あたしは思わず目を開けてしまった。



