わかってる。
リュウは太一とは違うって。
浮気なんかしないって。
だけど……。
さっきまでみゆちゃんといた場所でしようとするなんて。
もしかしたら、みゆちゃんにも同じようにしたんじゃないかって。
嫌でも考えちゃうんだよ。
押し返す力に抗うように、リュウは体を密着させて来る。
「や……いやっ」
リュウのスーツに染み付く甘ったるいその香りがすごく嫌。
あの子の存在がどうしてもちらつくから。
「本気で嫌がってるようには見えねぇよ」
あたしの手を外したリュウは、自分の手をそこに絡めて顔の横に押し付けた。
さっきまでと同じように強引にキスされて、閉ざしているにも関わらず無理やり舌をねじ込まれる。
嫌だと思っていても、熱くなっていく体が何より悔しい。



