俺様ホストに愛されて



もやもやを振り払うように、出されたカクテルに口を付けた。



「美味しいっ‼」



なにコレ。


アメリカンチェリーの味がする。


フルーツそのものの味がそのまま生かされてるって感じ。


グラスの底の方に果肉が入ってるのが見えた。


これが本格的なカクテルの味なの?


普通の居酒屋にあるのとは全然違う。


バーで飲むのってこんなに美味しいもんなんだ。


彩りもすごくキュートだし。


アルコールがあまり入っていないのか、ジュース感覚でどんどん飲めちゃう。



すぐに一杯目を飲み干してしまったあたしは、続け様に同じものをおかわりした。



なんかいいかも。


静かで落ち着くし、こういう雰囲気ってすごく好き。



1人でいても浮かないしね。



なにより、嫌なことを考えていてもそこまで気分が沈まなかった。



うん、常連になっちゃうかも。



「お待たせ致しました」



その言葉と共に差し出された2杯目のカクテル。



それと同時に、ふと誰かが隣に座ったのが見えた。