だけど、怒ったリュウの顔もすごくかっこ良い。
理不尽だけど、こんな時にまでドキッとしてしまう。
あたしはバカなのか……?
「なんで店に来た?」
掴まれた手首が締め付けられて痛い。
だけど、リュウの真剣な瞳から目をそらせなかった。
不安は山ほどあるのに、なにをぶつければいいのかわからない。
「たまたま……だよ。先輩に誘われて……っ」
そう言った途端、リュウは強引にあたしの唇を奪った。
そのキスはいつもより激しくて、あたしの思考は一瞬で麻痺する。
「んっ……や……っ」
甘くほだされていく体。
ホテルでもリュウの部屋でもないこの場所は、さっきまでみゆちゃんとリュウが楽しい時間を過ごしていたVIPルーム。
嫌でもさっきの二人の姿が頭に浮かんで来ちゃう。
ネガティブな思考ばかりが頭を埋め尽くして、不安ばかりが広がっていく。
それでも体は正直で、エスカレートするリュウの行為に敏感に反応した。



