シャンパンコールが遠くの方で聞こえる。
あたしとノボル君は、隅の方で頭を寄せながら話していた。
なんだかもう、よくわからないよ。
みゆちゃんはリュウのことが好きなの?
だから、お店に通ってるの?
「おい」
突然後ろから聞こえた低く冷たい声。
その声に、あたしとノボル君の肩がビクッと反応した。
後ろを振り返れば、眉をつり上げて怒りを露わにしているリュウの姿があった。
「二人でこそこそなにしてんだよ?」
こんなに怒ったリュウの顔は初めて見る。
どうして、そんなに怒ってるの……?
みゆちゃんには甘い顔を向けてたくせに。
リュウにとってあの子は特別なの?
あの子にだけ優しい顔を向けるんでしょ?
胸の中は嫉妬でいっぱいで、まともにリュウの顔を見ることが出来なかった。



