だけど
少し話すとだんだん打ち解けて来て、普通に話せるまでになった。
カシスオレンジに口を付けながら、リュウの姿を探そうとあちこちにアンテナを巡らせているけど、どこにも見当たらない。
暗闇に目が慣れて来ても、それは変わらなかった。
よく見ると店内は広いし、さらに下へと続く階段がある。
もしかしたらリュウはこの階にいないのかもしれない。
「辰巳さんってそんなに人気があるの?」
何気なく聞いてみた。
やっぱり、お店でのリュウも知りたいもん。
「めちゃめちゃあるっすよ!今日はVIPルームにこもりきりだけど、いつもは店ん中駆け回ってるっすから」
ビールを美味しそうに飲みながら、ほろ酔い気分のナツヤ君は、興奮気味にあたしの顔を覗き込む。
「VIPルーム……⁉」
「そうっす。この下に3部屋あるんすけど、借りるのに莫大な金がかかる上にナンバースリーまでの人しか使えないんすよ」
へ、へぇー。
改めてホストクラブの……リュウの凄さを思い知った。
「今日辰巳さんは一晩貸し切りコースっす」
ひ、一晩⁉
その言葉に過敏に反応してしまった。



