「だから無理だって……妃芽のせいなんだから、最後までここで責任取れよ」
切羽詰まったようなリュウの声に、鼓動が大きく飛び跳ねる。
そんな声で言われたら、もうなにも言えないよ。
履いていた黒のタイツを脱がされて、その手が直にあたしの太ももに触れて来た。
「せ、せめて、電気だけでも……」
消して?
その言葉に、リュウの動きがピタッと止まった。
上からあたしを見下ろすリュウの顔は、なぜか少しムッとしている。
「余裕なんだな」
「えっ……⁉」
意味、わかんないよ。
「俺と愛し合ってる最中に、余計なこと考える余裕があるんだな」
「は、恥ずかしいから言ってるだけで……余裕なんてないよ」
今のリュウは、珍しく余裕がないように見える。
真剣なその瞳が、よりそう思わせた。



