俺様ホストに愛されて



部屋へ着いた頃にはすっかり薄暗くなっていて、大きな窓からは藍色の空が見えた。



「すぐご飯作るね」



自炊もしてたし、実家でも仕込まれたから料理は一通り出来る。



リュウの部屋に来るようになってからも、仕事が早く終わった日や休みの日には料理をしていた。



カバンやコートをソファーの上に置くと、買って来た食材が入った袋を持ってキッチンへと向かう。



「妃芽」



そう言って、ソファーに体を沈めたリュウの手があたしの手首に伸びて来て、思わず足を止めた。



「きゃ」



ぐいっと引き寄せられたかと思うと、同じようにあたしの体もソファーに沈む形となった。



目に見えるのは天井に備え付けられた豪華なシャンデリアと、リュウの真剣な眼差し。



鼓動が音を立て始める。



たまに見せてくれるリュウの真剣な顔もたまらなく好き。



この顔を見ていると、胸が締め付けられて苦しくなる。



その大きなキリッとした瞳に、艶っぽい唇。がっしりした体付きは、あたしの中に眠る欲望を覚醒させた。