俺様ホストに愛されて



どうしよう……。



今日はリュウの誕生日プレゼントを買いに来たはずだったのに。



「決めたか?」



ショーケースに張り付くあたしの耳元で、リュウが囁く。



「えーっと……まだ」



ダメだ、とてもじゃないけどあたしには決められない。



「どれで迷ってんだよ?」



リュウに迫られ頭を悩ませる。



「デザインは、どれもすっごく可愛いんだけどさ。ただ……その、値段が…ちょっとお高いかなって。あたし、あんまりお金持ってないし」



ペアリングって、相手が相手の物を買うってなぜかあたしの中ではそう根付いている。



太一の時がそうだったから。



あたしのおどおどする姿を見て、リュウがイタズラっ子のようにクスッと微笑む。



「記念に俺が買うって言っただろ?んなこと気にしねぇで気に入ったの選べよ」



「でも……悪いよ」



さすがにこの金額はちょっと。



「なら、これとこれだったらどっちがいい?」



リュウが指差したのは適当な物じゃなくて、ちゃんとあたし好みの物を選んでくれていた。



「こっち、かな」



小さなダイヤが3つ並んだシンプルなペアリング。真ん中のダイヤがピンク色で、可愛らしさがそこにプラスされている。



もちろん、ダイヤが入っているのは女性用のみ。