さっきまで冷たかった瞳が、途端に悲しみの色を帯びてゆらゆら揺れ始めた。
「じゃあお前は、俺が死んでもいいって言うのかよ?」
「そんなこと……っ、言ってない」
「俺を捨てるってことはそういうことだろ」
「なんでそこを一緒に考えるの?もう好きじゃないから、信じられないから嫌だって言ってるだけなのに」
自分のことしか考えない子どもじみた太一の返答に、だんだん怒りが込み上げる。
あたしの話を聞こうともしないで、自分の意見だけを押し付けて来る姿に引いてしまう。
太一は、わがままを貫き通そうとするたちの悪い子どもだ。
「それでも、俺は好きなんだよ!」
大声でそう叫ぶ太一に、周囲の人からの視線が寄せられる。
もはや、言ってることが支離滅裂。



