笑顔で接客するあたしの姿を隠し撮りした写メ。
それは全部昼間に撮られたもので、遠くからだけど、はっきりあたしだとわかるものだった。
頻繁に送られて来るようになった写メの他に、『愛してる』とか『会いたい』とかのメールも一日に数十通届くようになった。
「ヤバイよ、これ……異常だよ。太一でしょ⁉危なくない?」
頼んだビールが来ているのも忘れて、亜希は真顔でそう言った。
「やっぱり、そう思うよね」
最初の頃はただの嫌がらせだと思って、真に受けていなかった。
さすがに一週間以上も毎日続いたら、話は別だ。
「どうしたらいいかわからなくて」
話し合っても、きっとムダだと思う。
太一はあたしの話を聞かないから。
太一がそんなことをする人だなんて最初は信じられなかった。
どんなに最低な奴だったとしても、一時でも好きになった人が、そんなことをするなんて信じたくない。
だけど今は、迷惑以外のなにものでもなかった。



