「無防備もいいとこだろ……あの状況で寝る奴、初めて見たし」
そう言われて、昨日のことを事細かく思い出した。
「う、だって。眠かったんだもん」
シーツに顎を埋めて口ごもる。
リュウの髪は寝癖なのかあちこちにぴょんぴょん跳ねてて、思わず吹き出しそうになった。
「ずっと起きてたの?」
まだ薄暗い室内。カーテンの隙間からは白み始めた空が見えている。
「この状況で寝れるわけねぇし……もうちょっと自覚しろよ。マジ、無防備過ぎるだろ」
はぁと大きなため息を吐き出したリュウ。
「今日何時から仕事?」
あたしの髪を掬うリュウの仕草にドキッとする。
「今日は11時だよ」
そしてラストまでだ。
「今日も部屋来いよ」
「えっ?」
「仕事終わる時間に迎えに行くから」
「あ、うん……でも、すぐそこだから一人で大丈夫だよ?」



