「さっきのアレ、冗談で言ったんだよな?」 弱々しい太一の声に、なぜだか胸が締め付けられる。 同時に痛くもなった。 こんな感情を抱く自分が本当に嫌だ。 「冗談なんかで言うわけないでしょ?本当にもう太一とは無理だから……別れて欲しい」 これ以上付き合ったって、太一はきっと変われない。 「……俺のこと嫌いになった?」 「好きとか嫌いとか、そういう問題じゃなくて……」 なんであたしの気持ちをわかってくれないの? いちいち言わせないでよ。 「もう信じられないから、これ以上は無理なんだって」