すごいな。
NO.1ともなると、こんなに盛大にお祝いしてもらえるんだ。
リュウはホスト辰巳の顔になって、ロウソクの火を吹き消した。
「好きなだけ食って下さい」
そう言って渡されたフォークとお皿。
この人、確か幹事の人だっけ。
まだ幼さの残る顔で、せっせと働く彼。
多分、あたしよりも年下かな。
「ありがとう、幹事さん大変だね。ご苦労様」
「いや、とんでもないっす……俺、辰巳さんすっごい尊敬してるし、話せて嬉しいんで」
あたしの隣で誰かと話しているリュウを横目に見て、照れたようにはにかむノボル君。
人懐こいその笑みは、本当にリュウを慕っているようだった。
「彼女さんは……おいくつっすか?」
か、彼女さんって
嬉しい響き。
「ハタチだよ。あなたは?」
「マジっすか?俺も今年ハタチっす」
まさかの同い年。
年下っぽく見えたのにな。
「だったら敬語はやめて〜」
そう言うと、ノボル君は驚いたように目を見開いた。
「む、無理っす……んなことしたら、俺マジ店にいられなくなるんで」
そんな大げさな。
だけど手を振って思いっきり否定するノボル君を見ていると、それ以上はなにも言えなかった。



