その後ヒロさんとユメさんに突っ込まれ、リュウは「付き合うことになった」とだけ報告した。
「ぷ、良かったな」
クスッと無邪気に笑うヒロさん。その笑顔は、やっぱりどこか上品だ。
「妃芽ちゃん、甘い物好き?そろそろケーキ出すよ」
ケーキと聞いて一気にテンションが上がる。
「大好きですっ!」
「なら良かったよ。竜太は甘い物嫌いだから、遠慮しないでいっぱい食べてね」
「はぁい……。甘い物嫌いなの?」
横顔を見上げて問いかける。
「好きではねぇな」
こうやって一つずつリュウのことを知る度に、くすぐったくて温かい気持ちが溢れていく。
リュウも、同じように思ってくれてるといいな。
「うわあ、美味しそう!」
大きなホールのケーキは、軽く30人前はありそう。
大きめのホワイトチョコのプレートには、『NO.1ホスト 辰巳 HAPPY BIRTHDAY』の文字。
周りには沢山のフルーツが乗っていた。



