手を繋いだままお店に戻ると、イッキさんがニヤニヤしながら見つめて来た。
あれだけ好きじゃない、付き合ってないと大見栄張ったくせに、今更本当のことは言いにくい。
いつものように定位置のスツールに座らされ、その隣にリュウがピタッとスツールを横付けする。
「だから近いってば‼動けないじゃん、あたし」
壁とリュウに挟まれて、すっごい圧迫感があるんですけど。
「……動き回りたいのかよ?俺以外のヤツと話す必要なんてねぇだろ?」
腰に手を回されて、リュウの方へと引き寄せられる。
「みんなが……見てるよ」
こういうの、すっごい恥ずかしい。
リュウは、慣れてる……?
「見せてんだよ。本当は今すぐ連れて帰りてぇけど、今日は抜けられねぇからな」
そんなセリフを、なんでもないように言うのはやめて欲しい。
あたしだけがドキドキして、振り回されてる気分になるから。



