「マジで可愛いよ。今すぐ俺のもんにしたいぐらい」
うっ
「な、なに言ってんのっ……バカ」
耳元で甘く囁かれたその言葉に、鼓動が急激に速くなった。
歯の浮くようなこんなセリフ、初めてだよ。
「我慢しようって思ってたけど、電話の男の声聞いたら妬けて来て……思い出すだけでムカつく」
ううっ
こんなにストレートにヤキモチを妬かれたのも初めてだ。
リュウは屈んだ体勢のまま、すねたようにムスッと唇を尖らせた。
すねてるくせに、熱がこもったリュウの熱い瞳。
とてもじゃないけど、抗うことなんて出来ない。
「あいつ、妃芽にまだ未練あるし……正直、焦ったよ。その男に戻っちまうんじゃねぇかって」
「あ、あたしが好きなのは、リュウ、だよ」
太一のことは、もう本当になんとも思ってないの。
リュウがいてくれたから、そう思えるようになったんだ。



