「それとこれとは話が別だろ?一方的に別れを切り出された俺の身にもなってみろよ」
悔しくて、腹が立って仕方なかった。
「待たれても困るから。それにあたし、彼氏いるの。迷惑だから、もう帰って」
悔しさを呑み込みながら、あたしは言った。これ以上無意味な言い合いを続けても、あたしの気持ちが変わることはない。
それよりも、さっさと太一に納得してもらうのが先だ。
だから彼氏がいるとウソをついた。
そしたら引き下がってくれるだろうと思ったから。
「はぁ⁉ありえねぇだろ……別れねぇって言ったのに。お前も、してることは俺と同じじゃん」
バカにするような喋り方に、イライラは強まっていくばかり。
俺と同じって
言葉が喉から出そうになるのをグッと堪えて、代わりに拳をギュッと握り締めた。



