優しくなんか全然なくて どこまでも勝手な人。 「もうしないから……許して」 その言葉は聞き飽きた。 「もう別れたい。これ以上、太一とは無理」 そう言って、太一の手を振り払おうと腕をブンブン振った。 「……俺、別れねぇから」 太一はそんなあたしの腕を引っ張って、その胸に抱き寄せた。 「ちょ……やだっ、離してっ」 他の女に触った後で、どうしてそんなことが出来るのよ。