この世界で、

私は朱音と付き合っている。

・・・

そして、その私の名は、

源光司。

・・・

でも、夢の中では、

朱音を愛するただ一人の男。

光源氏。

・・・

夢の中で、

私は光源氏になる。

それはなぜなのか?

前世で朱音に会った事でもあるのか?

・・・

いや、もし会っていたとしても、

前世の記憶が残る事など、聞いたことがない。

・・・

自分はいったい何者なのか?

自分で自分が分からない。

・・・

夢の中は、

平安時代。ビルもなければ、

車などいるはずもなく…

でも、すべて記憶に残る残像そのもの。