「私の赤ちゃんは?」

爆弾発言に、両親が驚く。

でも、すぐに元に戻って。

・・・

「朱音ったら、夢を見ていたのね?」

ハンカチで涙を拭ったママは、

優しく微笑んだ。

・・・

夢?

あんなに痛い思いをして生んだ赤ちゃん。

それが夢だって言うの?

・・・

私にしてみたら、

今の方が夢の中にいるような、

そんな錯覚さえする。

・・・

「今後の事は、

先生とよく相談して、

決めていきましょうね」

そう言ったママは、

パパと共に、病室を出ていった。

・・・

私が今までしてきたことすべて、

夢だったのだろうか?

・・・

初めて心から人を愛せたと言うのに、

それらがすべて夢だなんて・・・