チャプンッ
「ふぅ〜」
今日は一日いろいろあった。
尚紀に襲われたり、海で溺れかけて桃也に助けられたり.....。
何だか桃也が優しかったり。
アイツらのメイドになって初めてだと思う。
誰かに優しくされたのは。
「......」
一人でお風呂に入っていると急に寂しい気持ちが押し寄せて来た。
いつもこの時間だけ、一人になる時間だけ、こんな想いになるんだ。
『咲音っ!!』
私を突き飛ばす、あの人の手。
ただ泣き続けることしか出来ない私。
バシャッ
「あー!!暗い!!暗い!!さっさと上がろう!!のぼせちゃうよ!!」
私は勢いよく立ってお風呂から出る。
らしくない。
らしくない。
私は笑わないと。
『どんなに辛いことがあっても笑うことを忘れちゃダメだよ?笑う門には福来る』
にっこりと、いつも笑顔を絶やさなかったあの人の笑顔が目に浮かぶ。



