ビュッ



「わっ!!」



強い風が私のバランスを崩す。



おっ落ちる!!



私たちがいた塀の向こう側。

そこにまっ逆さまに落ちていく。


手から離れる風船。


青空に赤い風船が浮かぶ。



ああ、せっかく取ったのに.....

今晩の夕食が....


あ、あれ魚じゃない。

風船、風船。



赤い魚とか気持ちわ.....



ドンッ


ガンッガシャンッパリンッバリッ



「いったぁ.....」



なんだなんだ着地の時の音は。


嫌な予感がして恐る恐る下を見てみると.....



「〜っ!!?」



なんだかよくわからない骨董品とか高そうな奴とかがたくさん砕けてる!!

これ、私がやったの!!?



「不法侵入者だ!!」



「何!!?ああ!!神宮寺家の骨董品たちが!!」



「その女を捕らえろ!!」




慌てる私を囲むのはゴツいグラサンスーツ男たち。

3人の男たちの姿を見て思う。



「SP!!」



テレビでしか見たことがない。


あれは絶対SPだ!!


叫ぶ私を見て戸惑うSP。