「よしよし。もう泣くな!!私が取ってあげるから!!」



「本当?」


「本当だとも。」


私の言葉を聞いて「ありがとう」と微笑む少年。



うん。可愛いなぁ〜。



「さてさて」



運動神経にはそこそこ自信はある。

腕捲りをして塀を睨む。



イケるでしょ。



ちょっと塀から離れてそこから走り出す。


で、グッと足に力を込めて.....



タッ



「風船取ったりぃ〜!!」



塀の上でガッツポーズ。



捕ったど〜!!


.....いやいや、風船だから



「取ったど〜!!」



私は自転車を踏み台にして塀の上に登っていた。



「わぁ〜!!すごいよ!!」



「ハッハッハッ。そんなに褒めるなよ。照れるな〜。」



私を見て目を輝かせる少年に手を振る。




この時、こんなことをせずに早く降りればよかった。