「この前は逃がしちゃったじゃん?だけど今日は逃がさないから」
尚紀の目付きが変わる。
本気だ。
ドキンッ
心臓さん、大丈夫ですか?
『大丈夫な訳あるか!!早く、尚紀から離れろ!!』
心臓さん、やっぱヤバいよね.....。
「なお......っ。ひゃっ!!」
尚紀が私の首筋に噛みつく。
「痛いっ!!」
「俺のだって、印つけとかないと。ね?」
嫌がる私の首元で顔をあげてニヤリと笑う尚紀。
「おっお前のものじゃねーよ!!こんの、変態!!」
「変態?それ、褒言葉♪」
「お前は筋金入りの変態だな!!」
バシャッ
私から離れようとしないのでお風呂の泡を尚紀の顔面目がけてぶっかける。
「うわっ!!目に入った!!」
今だ!!
目を擦る尚紀の隙を見てお風呂から出る私。
ガラッ
「はぁ、はぁ」
危なかった。
私の純情が危うく汚されるところだった。
私は尚紀が使うであろう真っ白なバスタオルを肩にかける。
そしてそのまま、お風呂場を出た。



