「うわ〜ん!!僕のフーセンが〜!!」



キキーッ



目の前で泣いている少年を見てストップ。


あんなにスピード出していたのによく止まれたと思う。

自分でも驚きだ。



「どーしたの?」


カタンッ



私は自転車から降りて少年のところへ向かう。



「あれっ」



少年が泣きながら指差す先には赤い風船。



てか.....



「おっきいなぁ....」



風船は引っ掛かっていた。


大きな塀に。



大きな塀って表現は間違えかも知れない。


長い塀かな?

いや、大きくて長い塀か!!



一生懸命自転車をこいでたから気づかなかった。


目の前に広がるのは先の見えない長い塀。


こんなものがこんなところにあったんだ....。