なんで? 声の主は、主治医の先生。 先生の声はとてもじゃないけど、冷静には聞こえない。 嫌な予感がする。 ケータイを持つ手から感じる手汗。 「どうしたのですか?」 何とか、平静を装って先生に聞く。 落ち着け。 まだ、何も言われていない。 気持ちとは裏腹に、ケータイを持つ手が小刻みに震え出す。 「容態が急に悪くなって、このままでは命が危ないです。今すぐ、病院に来てください」