「本当バカだね。そこ退いて」



スッと桃也の横に現れて私の手首から手錠を外す千架。



ガチャッ



「咲音」



ギュッ



千架は手錠を取るとすぐに私に抱きついてきた。



「千架...?」



どーしてそんな顔してるの?



私の顔を見て少し顔を歪める千架。



背中から黒い羽が見えるのですが。




「ここ、傷がある。アイツにやられたの?」




「っ」



千架に触れられて痛む頬の傷。



そうだ、私、ナイフで刺されそうになったんだっけ....。