「嫌だな〜。そんなに怖がらないでよ〜」
クスクスと楽しげに私の横で笑うのは來。
コイツの笑い方おかしい。
狂ってる。
「こっこんなことされて怖がらない奴なんていないよ!!これ取ってよね!!」
「えぇ。無理」
ゾワッ
來が笑うと寒気を感じる。
怖い。
「むっ無理じゃな...」
それでもこの状況の方がよっぽど危険だと思った私は何とか拘束から逃れようと頑張る。
が。
「抵抗する女は嫌いじゃないよ。でも煽る程度ね?度が過ぎたら....」
グサッ
「.....っ」
「痛い目に合うんだからね」
私の横をすごい勢いで通ったナイフ。
頬に小さな切り傷ができる。
言葉が、悲鳴さえも出ない。



