Side 千架 「え?来てないけど?」 お昼休み。 尚紀が僕たちの課題をまるまる忘れてしまい、影野に連絡を取った時のことだった。 スマホを耳に当てて、どんどん険しくなっていく尚紀の表情。 楽観的な尚紀のあんな表情は本当に珍しい。 するとしたら...... 「咲音に何かあったのかな?」 「まっ、その可能性大だな」 大きなソファーに腰かけて僕に答える桃也。 ここは金さえ払えば使える部屋。 広さも使い心地も申し分ない部屋だ。 よく、僕たちはここで暇を潰している。