退院が間近になって、足のリハビリが始まった頃のことだった。


庭に車椅子で出ていた素奈多は、一人で立つ練習をしていた。

一日も早く、元通りに走ったりできるようになりたくて焦っていたのだ。

車椅子の肘掛けに両手を突っ張って、必死に体を持ち上げた。

足で体重を支えるのが辛くなってから、自分の体がどんなに重かったのか、思い知った。



退院したらダイエットしようと思った。