「おい、そこの男」
数メートル離れたところにいる男に向かって口を開く。
確か子供たちはブルームと呼んでいた。
「エレナとその女をつれてフェルトの所へ戻れ」
「だが…」
ブルームはおそらく一人に対して三人を相手にするのは無理があると言いたいのだろう。
まごつくブルームにいちいち説明している暇もなく声を荒げる。
「いいから早くしろ。お前たちがいない方が早く片が付く」
「分かった」
気迫に押されたのかブルームは女に支えられながら立ち上り、エレナの傍まで来る。
「エレナ、立てるか?」
ブルームの呼んだ名にピクリと反応したが、今はそんなことに気を散らすわけにもいかない。
声をかけても地面に座り込んだままのエレナにブルームはそう問いかけるが、エレナは弱々しく首を横に振った。
それに困ったブルームはエレナの肩にポンと手を置いた。

