それが余計に気に入らなかった。
「何故逃げる」
「な、なんとなく…」
逃げ腰のエレナをがっちりと固定し、手首を放して首裏に回す。
手のひらで細い首を支え、引き寄せれば、何をされるのか一瞬で察したエレナは顔を真っ赤にしてあわあわと慌てだす。
せめてもの抵抗とばかりに視線を横にやり、パクパクと口を開く。
「みんなが見てるからだめ」
「見てなければいいんだな。ウィル、人払いをしろ」
無情にもそう返した俺にエレナは信じられないというように目を見開き、バッとウィルを見る。
ついでに俺もウィルに「邪魔をするな」と言う意味を込めて視線を送った。
どちらに逆らう方が後々面倒になるのかを分かっているウィルは「分かりました」とため息交じりに言う。
「そんな…ウィル…」
「すみませんエレナさん。ちょっと…今のシルバを止めるのは僕に分が悪いので」
助けを求めるエレナに申し訳なさそうに謝るウィル。

