「そうだったんだ、ありがとな。えっと…その制服、南高校だよね?見ない顔だけど…もしかして1年生?」 「は、はい。1年の一ノ宮萌花です」 …ど、どうしよう。先輩に名乗っちゃった…!それに初めて楓先輩と言葉を交わしてしまった。 表面女は冷静に努めながらも心の中では歓喜の声を上げる私。 しかし、あまりにも緊張しすぎて、声が上ずってしまう。 「萌花お姉ちゃん?」 紅葉くんが嬉しそうに私の手を握りながらそう呟いて、首を傾ける。 そんな姿に胸キュンしてしまった。