チョコレート記念日【2023ver.】



「だ、大丈夫…?」


心配になって思わず、足早にその男の子にかけよる私。


すると、案の定、男の子は目に涙を浮かべて痛いのを我慢しているようだった。


「ぼく、大丈夫…?」


私が再び声をかけると。


ハッとしたように顔をあげる男の子。


「だ、だいじょうぶだよ。痛くないもん…!」


ころんだのを見られたのが恥ずかしかったのか、強がって立ち上がるも、その瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだ。


そして。その男の子の膝をみると、切り傷ができていて軽く血が滲んでいる。