こちとら、イケメンは嫌いじゃない。 鑑賞する分には彼はもってこいの素材なのは事実。 …ベタベタしてこなければ、ね? 「…だからあげるってば。チョコレートだよ、チョコレート」 私がそう言った瞬間。 ようやく状況が飲み込めたらしい彼は、キラキラした瞳で私を見つめてきた。 板チョコくらいでそんなに喜んでもらえるならよかったよ…。 この時、私は完璧に油断してたんだ。 「先輩!大好きです」 そう呟いて。 チュッ 「…え?」 あろうことか頬に軽いキスを落とす本田侑都の行動を予測できない程度には。