「覚えてます。それより普段は遅刻して行くんじゃなかったんですか?」

「あぁ。まぁいいじゃねーか。今日から迎えにくるからな。覚悟しとけ」



耳を疑いたいとはこのことだろうか?

え、あれ、今日も牡牛座は占いで12位だったのかな?

いや、さっきテレビでは確か8位だった。

中途半端だな。



とにかく、このまま話してても遅刻するだけだから、あたしは外へ出た。



「思い出したか?」

「出しません。1ヶ月待つんでしょう?」

「今すぐ思い出せ」

「ムリです」



まったく、待ても出来ないのか、この男。

あたしは彼から逃げるように、彼がいる門を通り過ぎて、足早に学校へと向かった。



なのにこの男、後ろから楽々と優雅に付いて来る。

なぜだ……あぁ、足の長さか。



……。

なぜだろうか、こんなに悔しいのは。

別にあたしだって足短いわけじゃないけど……なんか、ムカついた。