頭の上から肩、胸から足の先まで見つめて、再び。
「小さいな」
真顔で言われた。
それは背が?
それとも微妙に長めに見ていたお胸の方ですか?
あたしが眉間をピクピクとひきつらせていると、今度は優しく、ポンポンと頭を叩いてきた。
一体なんなんだ。
「お前こんなに小さかったんだな」
「はい?」
ますますわからないと思った直後、緒方先輩はスタスタと門へと足を運ぶ。
「え、ちょ……」
追いかけるべき、だろうか?
さっき先に行くと言った時に不機嫌になられたのだから、あたしはきっと、追いかけるべきなんだろう。
だからあたしは小走りで、緒方先輩の背を追った。
どこかで、こんな背中を見たことがあるような気がした。
それでも、いつだったのかは思い出せなかった。



