あたしは緒方先輩に言う。
「だって先輩、あたしのことには興味ないはずでしょう?」
なんで先輩がわざわざここに来る意味があるのか。
知ってるんだから、少し避けられているような気がしてること。
東先輩も緒方先輩も、あたしを認めてなんていない。
はず、だったのに。
「お前今日一緒に帰るぞ」
……この俺様はそんなことをさらりと言いやがった。
当然の如く、ザワッとクラスに衝撃が走る。
中にはあたしに向かって合掌してる奴までいる。
チーンじゃねーよ。
まだあたしは死ぬ気はない。
彼氏だってほしいんだ。
奏多くんともっと仲良くなるんだ。
「で、何企んでるんですか?」
当然この男が自ら進んであたしを誘う理由なんてない。
東先輩もだ。
あるとしたら奏多くん関係だろう。