私たち……ということは、これは綾愛さんだけの計画ではないということだろう。
東先輩関連とするなら、心くんや奏多くんも関わっているのかもしれない。
「この話は決して本人に気付かれてはいけません。理事長に頼んで一時的にこの家の一室を借りています。今夜ここに泊まれませんか?」
「……はい?」
急な話の展開に、あたしの頭は思考停止。
この家に泊まる……というのはもちろん、心くんの家に泊まるということ以外の何ものでもなくて。
「心さんと一緒にお泊りという体で」
「……はい!!?」
和歌さん、どうやらお泊り編がスタートするようです。
綾愛さんの話はこうだ。
既に心くんには話を通してあるらしく(いつの間に?)、ここであたしがOKを出すと、東先輩に今夜この家でそれはそれは幸せな一夜を共にしているようなあたし達を見せるらしい。
といってもお泊りモドキ(心くんの家で寝てそのまま放置されて帰ったり、寝てる間に拉致られたり、なんなら学校でも寝た)のようなこともあったし、まぁそこはどうとも思われないだろう。
廊下に監視カメラが付いている状態で誰も立ち入らせることなく話ができる空間を整えた上で、話したいらしい。
今は長時間離れてしまうのは怪しまれるからすぐ戻ってほしい、そうだ。
「綾愛さんと東先輩って同じ家に住んでるんじゃないですか?それ怪しまれません……?」
「あー、それは普段から私の方が家を空けて情報屋本部の方で活動しているので、いつも通りという感じになりますかね」
「本部……」
本部ってなんだ……え、組織なの?情報屋って組織なの??



