でも今は?
あたしだって三人の影響を受けている。
緒方先輩も東先輩も、最初は空気だった。
おまけみたいなものだった。
でも今は、二人が本当は優しい部分があるって知ってる。
奏多くんのために緒方先輩も東先輩も動いたことを聞いた。
東先輩がここに来なくなった時だって、あの奏多くんが引っ張って連れてきた。
緒方先輩はそんな二人を見守っている。
……その輪の中に、今はあたしもいるのだろうか?
この三人の関係が羨ましいと思っていた。
でも……あたしが来なくなったとき、三人が動いてくれた。
それってもう、あたしは三人と同じ輪の中にいると考えてもいいのかな。
「これ以上二人を止めるのは無理だ。お前が頭整理し終わるまで待とうとしたけど来る気配ねぇし」
「頭整理って……」
「鈍感なお前が告られて頭グチャグチャしてるだろうから整理するまであの二人引き止めてたんだよ。感謝しろ」
この一週間、誰も来なかった理由が、明かされた。
それって……やっぱり東先輩の時と同じ対処法じゃない。
あたしは、ふっと思わず笑った。



