†captivity†(休載)



あたしはとりあえず深呼吸する。

脅しでも戻ってくると言ったからには、真面目な和歌さんは戻って参りますとも。

一週間が限界だったな。

完全に東先輩と一緒だよ。



「ちなみに滝澤もここ来なくなったから、避けても意味ない」

「来てないんですか?」



てっきり滝澤くんは今まで通り来ていると思ってた。

だって東先輩や奏多くんがいるから、来ているものだと思ってた。



「お前なぁ……この鈍感が。告られたくせに気付かないほど馬歌だったのか」

「はぁ?……あ、あぁ……え?え!?」



まさか……あたしがいたから来てた……?

いや、まさか、まさかまさか、それはないよ。



「それに奏多なんてぼーっとしてるし、悟なんてずっと不機嫌だ。お前が来ないせいでな」

「悟先輩まで……?」

「それくらい、この1ヶ月でお前は俺達に影響を与えたわけだ」



あたしが、緒方先輩たちに影響を与えた?



確かに、出会った当初はあたしも奏多くんしか頭になかった。

奏多くんに構ってほしくてここに来てたし、東先輩には冷たくされてた。

緒方先輩はよくわからない人だった。